MICE情報・支援

Withコロナ時代のニューノーマルなMICE開催事例レポート

MICEフューチャーアクション 新たな日本のMICEショーケース(2020.7.24)

2020年7月24日(金・祝)、「MICEフューチャーアクション 新たな日本のMICEショーケース」と題して、東京会場での講演等と全国有志の14都市・エリアをオンラインで繋げたハイブリット型のショーケースをホテルメルパルク松山にて開催しました。

このショーケースは、今後のMICEの発展や、コロナ禍におけるニューノーマル時代のMICEを考える機会、挑戦として、さらには、本来であれば東京2020オリンピックの開会式が行われた日に企画されたものです。

会場の設営や運営は(一社)日本コンベンション協会が公開(6月上旬に第1版暫定版、下旬に第1版確定版)した「新型コロナウイルス感染症禍におけるMICE開催のためのガイドライン」に沿って行い、感染症の終息が見えず、MICEの開催が中止やオンラインにシフトする中で、ハイブリッドでの開催を実践してみて感じた当企画の模様をレポートいたします。

<公式サイト>
https://japan-convention.net/mice_future_action_2020/

<オープニングムービー>
https://www.youtube.com/watch?v=1v0y2Now4ss

オープニングムービー

新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営

本企画の趣旨に賛同し参画するにあたり、コロナ禍における感染防止対策を講じてのハイブリッド開催を参考となる事例として、実際に地元の主催者や協会の会員に見て体験していただこうと取組みました。

具体的な取組み内容については、施設の担当者とともにガイドラインを一つひとつ確認しながら出来ることは全て行うとのスタンスで会場を作りあげていきました。

また、今後のWithコロナ時代のMICE開催事例体験という目的から、種類の異なる体温検知機器の設置、会場内の収容人数を制限するとともに椅子の配置レイアウトをゾーンごとに変え、地域が構築した通知サービスの参加者への登録案内やQRコード配布なども行いました。

改めて、講じた対策を列記します。

  • 手指消毒の徹底(受付までの導線に3か所、会場内4か所)
  • ソーシャルディスタンスの確保(受付前の導線の確保と足元サイン、会場内のレイアウト工夫、誘導のアナウンス)
  • 体温検知3種類(多人数検知システム、顔検知、静脈検知)
  • 受付スタッフを守る対策(フェイスシールド・手袋着用、体調管理カードのボード上への提出、来場者記念品の参加者各自でのピックアップ)
  • 講演台から参加者への距離の確保(3m以上確保)
  • 換気の徹底(会場の扉開放、サーキュレーターの設置による外気と内気の循環)
  • 厚生労働省の「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」および愛媛県の「えひめコロナお知らせネット」の活用、利用の周知
愛媛県の「えひめコロナお知らせネット」

<松山会場での設営の様子>
https://www.youtube.com/watch?v=2lAGlggeuHY

松山会場での設営の様子
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営

ショーケースの内容

ハイブリッド開催でのショーケースの構成と進行は大きく3つあり、1つ目は、東京会場からの開会挨拶、観光庁国際観光部長の来賓挨拶に始まり、基調講演、海外からのビデオメッセージ、パネルディスカッションなどをウェビナー形式で発信し、各開催地にて聴講しました。

2つ目は、エリアシンポジウムという開催地ごとに特色のあるオリジナルプログラムを行いました。松山会場では、協会の支援内容やSDGsの取組みなどについて講演するとともにミニ企業展示を平行開催し、他地域では、VR動画配信による企業紹介、感染症対策動画の放映、専門家からの感染症対策講演など各地の実情に応じた内容が行われました。

3つ目は、全国統括リレーと題して各開催地をオンラインで結び、当日の活動報告を行い総括が行われ無事に終えることかできました。

※オンラインで各地を結ぶ交流会には松山は不参加。

  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営
  • 新型コロナウイルス感染防止対策とハイブリッド運営

ハイブリッド運営を終えて

ガイドラインに記載されていることを実際に行ってみると、人の動きをコントロールすることの難しさを改めて感じました。実際には会場の中で起点となる場所への十分なスタッフの配置と適切な行動を促すための訓練と余裕をもった対応がポイントになるとも感じました。

テレビ会議システムを使ったハイブリッド運営を行うため、今回の会場には光回線を引き込むとともに無線のWi-Fiルーターもレンタルして通信の安定性の違いも確かめてみました。有線が安定しており無線だけで運営を行うことはお勧めできません。また、音声については会場内の参加者への音響とその模様を他会場へ発信することを考えると音声が干渉し合うので、この点も十分に対策を練っておくことが重要でした。

総じてプロに任せれば済む話ではありますが、協会職員が中心となって運営に携わることでハイブリッド運営のポイントを知ることができ、主催者へのアドバイスもできるようになるなど経験に勝るものなし!でありました。今後、この経験を活かし、少しでも多くのコンベンションがwithコロナにおいても安全・安心で開催されるよう、MICE開催をサポートする協会の使命を果たしていければと考えています。